最後の侍 (2004.02.15改訂)

妻の育児休暇も今日が最期なので私も仕事を休んで二人で映画を見に行った。一昨日までは The Lord of the Ring -The Return of the King- を見る気満々だったんだけど公開が14日からと分かり泣く泣くあきらめる。この盛り上がった気分をどうしてくれよう。仕方ないので Love Actually と The Last Samurai を候補とし、劇場の大スクリーンで見ることに価値がある The Last Samurai を見ることにする。確かにおかしな場面はいろいろとある。初っ端にいきなり羊歯科の植物や虎が出てきて、日本の植生?虎いないでしょ?とか、勝元が自害して政府軍が全員土下座(なのかな、あれは)しないでしょ?とか、あるいは最期にオールグレン大尉が天皇に謁見する場面なんて『一体この映画は何を言いたいの?』と突っ込みどころは満載。でもそんな瑣末な事はどーでもよくって、この映画の見所はかっこいい合戦シーン、英語が意外とうまくて演技も渋い渡辺謙、チャンバラは任せろ真田広之(目の下にアイライン入れていて“パイレーツ・オブ・カリビアン”みたい)なのである。好きじゃないので全く期待してなかったんだけど小雪もよかった、というかあの目つきでは演技する必要がないというか (ラブシーンは不要だけど)。期待したのにイマイチだったのはハンス・ジマーの音楽。印象に残るメロディはないし、イマイチ従来の“ハリウッド映画に出てくる日本を表現する音”から脱し切れていない。武士道についてはどうなんでしょうね。この映画で表現されている武士道はさっぱりピンと来ませんでした。むしろ "Ghost Dog" での(武士道とはちょっと違うかもしれないけど)『葉隠れ』の精神の描かれ方の方が秀逸だと思う。ま、アメリカ人にとって“これが日本だ!”“これが武士道だ!”というのが分かりやすければいいんだろうけど。
予告編で見た The Lord of the Ring -The Return of the King- はやっぱりよかった。ネットでダウンロードして既に見ちゃったんだけど、あぁぁぁやっぱり劇場で見たい!! "The ring is mine."