aerial image special effect printer

今日はたまたまお会いした方から聞いた話のメモ。

  • 約20年前に東洋現像所(現IMAGICA)をご退職された方の話
  • ブルースクリーンによる映像合成のため、数十年前に東洋現像所で全長約10mのaerial image special effect printerを製作
  • 前景と背景をきちんと合成するためには並行光を作る必要がある
  • 理論上は焦点から放たれた光はレンズを通すと平行になるが、実際の光源は厳密には点ではないため、レンズを通した光は平行光にならない
  • 実験を繰り返し、複数のレンズを通すことで平行光を作れることが分かった
  • しかし、そのためのレンズの作製を光学各社に持ち込んだところ「素人考え」とことごとく断られた
  • 唯一、日本光学(現Nikon)が話に乗ってくれ、直系60cmのレンズを職人作業で製作してくれた
  • 制作費は課長の月給が3万円の時代に6,000万円
  • 60cmのレンズをNikonのある品川から東洋現像所の五反田まで傷つけずに運ぶために閃いたアイデア
  • 完成した現像機の扱い方を誰も知らなかったため、機械式コンピュータのプログラミングを組み自分で現像してみせた
  • Kodakに研修に行った話
  • motion controlled picture の話

などなど。
実に興味深い話。
プロジェクトXの世界である。
頭の中で勝手に田口トモロヲ調の語りを作りながら、時間が経つのを忘れるほど聞き入ってしまった。