待ちに待ったフィリップ・グラスのシネマコンサート。2日連続の初日、本日の演目は『コヤニスカッツィ』。会場のすみだトリフォニーホールは初めて入るホール。錦糸町に(と言っては失礼だが)こんなに綺麗でりっぱなホールがあるとは驚きだ。各部の意匠も凝っていてカメラを持参しなかったのが惜しまれ、思わず「カメラぁ」と呻くと会場で一緒になった友人の妻から「明日も来るんだから明日持ってくればいいじゃない」と指摘される。その通りです。
さて、いよいよ演奏が開始される。2階正面席からはグラス本人が指揮者右手で“あの”メロディを演奏しているのがはっきり見える。全部通して鼻歌で歌えるほど(実際には早すぎて歌えないけど)聴き込んだ曲が目の前で演奏されているのを見るのは不思議な興奮を呼ぶ。生演奏で映像にピタリとシンクロさせる演奏技術の高さと、サンプリングやシーケンサーを適度に駆使して11人で演奏するアレンジメントにはえらく感心した。惜しむらくは、演奏を注視するあまりスクリーンを同時に見る余裕が無かった事か。いや本当に大満足のライブでした。
とは言うものの不満点が2点。まず、期待したほどの大スクリーンではなかった事。これは購入したDVDで楽しむことにしよう。次に、演奏開始時間を過ぎてもパラパラと入ってくる客のため演奏開始時刻がかなり遅れ、気が散った事。後で聞いたことだが、興行元がクラシックコンサートに不慣れなために、開演時刻になったらきりのいいところまで遅刻客をロビーに待たせるというクラシックコンサートでは常識的な処理を怠ったためらしい。
(写真は"Philip Glass performing first full concert of his music in New York at the Film Maker Cinemateque including Strung Out and How Now" on 05/19/68 : http://www.philipglass.com/ より)
(2003.11.10 記)