サイトメガロウィルス

気が向いたときに献血をしているのだが、本日東京と赤十字血液センターから下記の如き手紙が届いた。

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 過日は、献血にご協力をいただき、誠にありがとうございました。検査の結果、あなた様がサイトメガロウイスル(原文ママ)抗体陰性{CMV(−)・シーエムブイ(マイナス)}であることが判明いたしました。CMV(−)につきましては同封の資料をご参照くださいますようお願いいたします。
 資料にあります通り、免疫機能の低下した患者さんが輸血を受ける場合、CMV(−)の血液が必要となることがありますが、CMV(−)の方は大変少なく、一般の献血者の中からCMV(−)の血液を見つけることはほとんどできません。
 従いまして、患者さんがCMV(−)の血液を必要とする場合には、あなた様にも献血のお願いをさせていただく事もあるかと存じますが、その節はご都合の許す限りでのご協力をお願い申し上げます。
 なお、サイトメガロウイルス抗体検査は、献血後2週間位で皆様に郵送しております検査通知表の検査項目には含まれておらず、献血いただいた方の中から一部の方を対象に調べております。このため、何度も献血にご協力をいただいた方でも、今回初めてサイトメガロウィルス抗体陰性の通知をお送りすることもありますことをご了承ください。
 またご不明な点などございましたら、下記までお問い合わせください。
 お問合せ先:東京都赤十字血液センター
  ☆登録に関すること:献血部推進二課登録係 <電話番号省略>
  ☆CMVに関しての補足説明:検査部検査二課 <電話番号省略>

そして同封の資料とは下記の通り。

サイトメガロウイルスとは
 サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)はヘルペスウイルスというウイスル(原文ママ)の種類に属するウイルスです。ヘルペスウイルスの中には帯状疱疹やみずほうそうの原因となるものもあります。
 健康な人がCMVに感染しても発病することはなく、本人も感染したことに気づきません。日本人の場合、成人に達するまでに大多数がCMVに感染し、30歳以上ではほとんどがCMV抗体陽性(CMV(+)・血液中にCMVに感染していることを示す抗体がある・CMVに感染している)になるといわれています。
 CMV抗体陰性(CMV(+)・血液中にCMVに感染していることを示す抗体が見いだせない・CMVに感染していない)でも、心配する必要はありません。前述のとおり、健康な方がCMVに感染しても気づかないうちに抵抗力を獲得するので、発病することはありません。
 献血者では、CMV抗体陰性(CMV未感染)の方の割合は、25歳以下で10人中1人で、若い人ほど陰線が多い傾向にあります。

CMV(−)の血液の輸血
 免疫機能が低下した患者さん(免疫不全症や骨髄移植など臓器移植を受ける患者さん)がCMVに感染すると間質性肺炎にかかり、生命に関わることもあります。
 たとえば、骨髄移植の場合、患者さんは免疫制御剤とX線照射によって、免疫不全の状態になるので、CMVに感染する危険が大きくなるといわれています。このような患者さんが輸血を受けるときには、CMV(−)の血液が必要になります。

献血にご協力を
 CMV(−)の血液が必要な場合、陰性の方の割合が低いため、通常の献血の中から、探すことは非常に困難です。したがって、あらかじめ、CMV(−)とわかっている方に献血をお願いしなければなりません。血液センターでは、CMV(−)の方に手紙や電話で献血のお願いを差し上げています。
 骨髄移植の増加などにより、CMV(−)の血液の需要も多くなっております。ご都合の許す範囲で献血にご協力くださいますようお願い申し上げます。

そして、東京都赤十字血液センター献血部推進二課登録係に問い合わせたところ、下記のことが分かった。
 ・本人には事後承諾の形になるが既に登録済み。ただし解除は本人からの連絡でいつでも可能。
 ・サイトメガロウイルス献血期間は通常の献血期間に準じる期間をあける必要がある。
 ・献血方式は成分献血がほとんど。また当然のことながら血液型も合わなければ献血できない。献血可能者が少ないため、同じ献体から数度にわたって献血していただく場合もある。(成分献血献血期間は2週間なので、2週間おきになんどか献血するという事)
 ・登録は県単位で行っているため、東京都で登録されたら東京都で輸血が必要な患者が出た場合に献血要請がある。