オーディオファイル聴き比べ

ふと気が向いて、日頃使っているオーディオファイルの音質を聞き比べてみた。

  • 対象のファイル:WMA(128kb/CDからPCにコピー)、MP3(196kb/ネットでダウンロード)、ATRAC3(66kb/MDLP4倍モード)
  • 試聴曲:Mr.Children/掌
  • 使用ヘッドフォン:Audio-Technica ATH-A900、Bang & Olfsen A8
    • WMA 128kbps:CDと聴き比べても、あまり違いが分からない。と書きたいところだけど、聴き比べる元のCDが手元に無いので推測です。
    • MP3 196kbps:ビットレートが高いにもかかわらず、WMAと比較すると、音のメリハリや奥行き感にかけたのっぺりした感じになる。音の解像度はそれほど劣らない。
    • ATRAC3 66kbps:MP3を更にぼんやりとさせた音。ステレオ感も奥行きもメリハリも何もなし。ただぱさぱさとした音が鳴っているだけ。冷凍⇔解凍を何度か繰り返した冷凍野菜の味のような感じ。4倍モード(66kb)ではない通常モード(264kb)だったらもっとましな音なのだろう。カーオーディオで聴く分には、CDだろうがMDLPだろうが違いが分からないだろうと思っていたのに、カーオーディオで聴いても分かるほど、音質が劣化している。

今後はMDLPは使えないな。と言って、通常モードで録音した何枚ものMDを持ち歩くのも出来ない相談だし、さてどうしよう。気が付かなかった事にして、しばらくはMDLPで我慢しよう。

WMA
Microsoft社の音声圧縮フォーマット。音楽CD並みの音質を保ったまま、ISDNなどの低速な通信回線を通じて音声を配信することができる。同社の>WMT(Windows Media Technologies) 4.0でサポートされた。96kbps以下の低速回線用データではMP3よりも高音質であると言われる。

MP3
映像データ圧縮方式のMPEG-1で利用される音声圧縮方式の一つ。オーディオCD並の音質を保ったままデータ量を約1/11に圧縮することができる。
MPEG-1にはこの他にもLayer-1、Layer-2の音声圧縮方式があり、圧縮率はそれぞれ約1/4、約1/7である。MPEG-2やMPEG-4ではMP3に代わりAACという圧縮方式が採用されている。

ATRAC3
メモリースティックウォークマンなどに使われている、ソニーが開発した音声圧縮技術。同社のATRAC技術を改良したもの。
ソニー製品を中心に、音楽配信サービスやMDLP(MDの長時間録音モード)などに採用されている。
圧縮後のデータ量は、圧縮率によって4分の1から20分の1程度になる。CD並みの音質ならATRACのさらに半分の10分の1程度になるとされている。
ATRAC3では、ATRAC同様、音声信号を帯域分割フィルタで4つの周波数帯域に分割する。その後、Modified DCT(変形離散コサイン変換)により時間ベースのデータ列から周波数ベースのデータ列に変換し、圧縮符号化する。
その際、人間の聴覚の特性を利用して、聞こえにくい成分や大きな音の前後のデータを間引くことにより、音質を損なうことなく符号化するデータの量を減らしている。ATRAC3は、この間引きの判別精度をATRACの2倍に高めることにより、効果的な圧縮を可能としている。
これらの原理の基礎は、その後登場したMP3などの音声圧縮と同じである。

Hi-MD
ソニーが開発した音楽記録磁気ディスク規格の一つ。従来のMDと再生互換性を保ちつつ、記憶容量を1GB、録音時間を最大45時間まで拡張したもの。音声データの圧縮率の変更で記録時間を延長したMDLPとは異なり、物理的な仕様の変更を含んでいる。
従来のMDメディアと専用のメディアを使う方式がある。従来のMDメディア(60分/74分/80分)をHi-MDで初期化しなおすと、それぞれ約2倍の容量(80分メディアの場合は177MB→305MB)に拡張することができる。Hi-MD専用のディスクを用いると1GBまでの記録に対応できる。
音声圧縮はMDのATRACMDLPATRAC3をさらに改良した「ATRAC3plus」を採用し、従来の80分メディアには最大で約13時間30分(ビットレートに48kbpsを使用時)、1GBメディアでは最大約45時間(同)の長時間記録が可能となった。大容量を生かして音声を圧縮せず生のデータを記録するリニアPCM録音にも対応し、CDと同品質の録音・再生が可能。