ベルギー象徴派展

wine2005-06-10

ふと気がつくと今週末までの開催だ。慌てて今日観に行くことにする。
目当てはクノップフなのだが、クノップフを「象徴派」という観点で見た事がないため、「象徴派展」と言われても馴染みの無い画家ばかり。今回の展覧会では20人の画家の約100作品が展示されているのだけれど、半分以上は興味の対象外の作品だった。どうやら「ベルギー象徴派」は私の好みではないようだ。めずらしくカタログは買わなかった。(後で気に入った作家の画集を個別に買う予定)
そんな中でもいくつか目に留まる作品があったので後々のために記しておく
(⇒はクノップフ 『フォッセにて−雨』(部分))

  • レオン・フレデリック Léon Frederic
    • 「チュルキー通り」「アルセンベルグ街道」「祝福を与える人」「聖三位一体」
      • 中でも写真かと見まがうほどの写実的に、路上と思しき場所で祝福(祈り?)をしている老人が描写されている「祝福を与える人」がよかった
  • グザヴィエ・メルリ Xavier Mellery
    • 「ベギン会修道院」「礼拝堂にて」「わが家の玄関」「扉」
      • どれもモノトーンの暗い色調の絵。「わが家の玄関」は影の側から光の当たっている方を描いていて静的かつドラマティック。少しEscherのNocturnal Romeシリーズに似た雰囲気
  • ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク William Degouve de Nuncques
    • 「夜の効果」
  • レオン・スピリアールト Léon Spilliaert
    • 「少女たちと波」「オステンドの夕べ」
      • こちらもモノトーンで、不安感を想起させる暗い作品、だったと思う。

もちろんクノップフはどれも堪能しました。ただ、クノップフの描く女性像は私の好みではなく、一番好きなのはブリュージュの死んだように静かな風景を描いた一連の作品と、何の変哲も無い農村フォッセの風景を扱った作品。今回も「フォッセにて−雨」と「ブリュージュの思い出−ペギン会修道院の入口」の2点に目も心も奪われた。