本日付 asahi.com より
■星のみ込むブラックホール観測 NASA、7億光年先で
米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は18日、巨大ブラックホールが星を粉々に破壊してのみ込む場面を初めて観測したと発表した。一つの銀河では1万年に1回の現象。ブラックホールが成長する仕組みが実証された。
このブラックホールは、地球から7億光年も離れた銀河の中心部にある。質量は太陽の1億倍ほどだという。
NASAのチャンドラX線望遠鏡とESAのXMMニュートンX線望遠鏡で、X線の爆発的な噴出を観測した。NASAは「太陽くらいの大きさの星が、ブラックホールにのみ込まれていく場面だ」と分析した。
この星は途方もない力で引きちぎられ、最終的には粉々になったらしい。残骸(ざんがい)の1〜25%がブラックホールの栄養になり、残りは周囲にまき散らされたとNASAは説明している。
銀河系の中心部にも巨大ブラックホールがあると見られるが、2万5千光年の距離にある太陽がすぐにのみ込まれる恐れはない。
(星(左上)が巨大ブラックホール(右下)の重力によって引き裂かれ、粉々になってのみ込まれる様子を描いたイラスト=AP(NASA/CXC/W.Weiss提供) )