サラマンダー殲滅 読了

午前中、青山のオフィスで打合せをした後に、しばらくぶりの麹町へ。
帰路の電車内で梶尾真治『サラマンダー殲滅』読了。
愛する人をテロ組織に奪われた一般人女性が殺傷能力を鍛えて敵組織を壊滅する、という話。
要約すると非常に安っぽい話に見える。
それに大沢在昌の本でそういうのをいくつか読んだなぁ…と思いながら読み始める。
…と思いながら上巻を読んでいると、物語の緊迫感や躍動感は大沢の方が面白い。
しかも設定や人物の嘘くささが気になって没頭できない。
ひょっとしてイマイチ?と思いながらも下巻を読み進む。
すると徐々に梶尾ワールドならではの盛り上がりになってくる。
ラストで、主人公は目的を同じくする協力組織と共にテロ組織を見事殲滅せしめる。
協力組織はほぼ全滅し自身は廃人になりながらも残された人生をサポートしてくれる新たな伴侶を得る。
しかし1つのテロ組織が壊滅しても民族紛争のように後から後から別のテロ組織が登場していて、ちんけな脇役に「虚しいよな」という台詞を言われておしまい。
第12回日本SF大賞受賞作。

サラマンダー殲滅(上) (光文社文庫)

サラマンダー殲滅(上) (光文社文庫)

サラマンダー殲滅(下) (光文社文庫)

サラマンダー殲滅(下) (光文社文庫)