こんな楽しいレースがあったなんて!
これ、どこかで放映しないのかな。
以下、記事全文を引用します。
王者の中の王者が決定!「レース・オブ・チャンピオンズ」、仏で開催(前編)
各レース界のトップドライバーが大集合して熱い戦いを繰り広げる「レース・オブ・チャンピオンズ(ROC)」が、2005年12月3日にフランスで行われた。
■豪華ドライバー、スタジアムで競演
今年で18回目を迎えたROCの会場は、昨2004年同様、パリ北部のフランス・スタジアム。芝生の上に、全長1kmのコースを八の字型に建設した特設会場だ。アスファルト製だが、タイトなコーナーがつづくだけに、サーキットとラリーのちょうど中間といった特徴を持つ。
使用するマシンは、ホンダ・エンジンを搭載するバギー「ROCカー」をはじめ、「シトロエン・クサラWRC」「ポルシェ911GT3ロード・チャレンジ」「ルノー・メガーヌ・トロフィー」の4車種で、これを乗り換えて競技は進む。2台ずつ出走して2周するが、2台必ず同じ車種で戦われることになる。つまりライバルとはイコールコンディションだ。
気になるドライバーだが、F1最年少チャンピオンのフェルナンド・アロンソは残念ながら登場しなかったものの、現役のデイビッド・クルサード、今年2年連続でWRCタイトルを取ったセバスチャン・ロウブを筆頭に、2000、2002年のWRCチャンピオンであるマーカス・グロンホルム、フランソワ・デュバル、コリン・マクレー、そしてルマン24時間で7勝の記録保持者、トム・クリステンセンや、ドイツ・ツーリングカー・マスターズ(DTM)で活躍するジャン・アレジ、マティアス・エクストローム、インディとチャンプカーの各チャンピオン、ダン・ウェルドンとセバスチャン・ブーデら総勢20名が揃うという豪華ぶりだった。
■リラックス全開、でも……
観客へのサービス色が強いシーズンオフ中のイベントだけに、どのドライバーも笑顔を絶やさず、リラックス・ムード全開だ。ところがレース自体は、ドライバーの腕だけで勝敗が決まるだけに誰もが“マジ”になってしまう。それがROCの醍醐味だ。
15時からはラリー・ドライバーとサーキット・ドライバー各1名が組んだ国別対抗戦となる「ROCネーションズ・カップ(NC)」。3回戦中、先に2勝した方がトーナメント式で勝ちあがっていく。
地元フランス勢のロウブ、アレジは、昨年のNC王者だけに期待も大きかったが、アレジの苦戦で1回戦目で退敗するという波乱が。
いっぽう、もう1つのフレンチ組「プレイ・ステーション・フランス」として出場した、パリダカ2連覇中のステファン・ペテランセルは、「僕は5年前までライダーだったし……」と、慣れないアスファルトのレースにハンディを抱えながら、チームメイトのブーデに助けられ決勝まで進出した。
NC決勝で対戦相手となったのはクリステンセン&エクストロームのスカンジナビア組。2002年と昨年のROCチャンプ、グロンホルムとヘイッキ・コバライネンという優勝候補だったフィンランド勢を破った勢いにのって、そのまま優勝した。
クリステンセンは、「ルマン24時間の後、再びフランスで地元フランス勢を倒して優勝できたことは嬉しいよ!」と、その喜びを全身で表現した。(後編につづく)
(WebCGより)
王者の中の王者が決定!「レース・オブ・チャンピオンズ」、仏で開催(後編)
各レース界のトップドライバーが大集合して熱い戦いを繰り広げる「レース・オブ・チャンピオンズ(ROC)」が、2005年12月3日にフランスで行われた。
■サーキット組、ラリー組にわかれて
(前編からのつづき)19時からはメインとなる個人戦ROCがスタートした。まず、ラリー組とサーキット組にわかれて戦い、最後に各々のトップがROCの頂点をかけてバトルする。マシンの条件はネーションズカップ(NC)と一緒だが、こちらは1回勝負だけにミスは許されない。
サーキット組で勝ち残ったのは、NCでも優勝したクリステンセンだ。1回戦目でF1のクルサードを負かし、ネルソン・ピケJr.を貫禄で抑え、次戦では米NASCARで4年連続チャンプのジェフ・ゴードンがマシントラブルでスタートできなかったという幸運に助けられ、強敵コバライネンとは1000分の7秒という僅差で勝利し、この組のトップの座を手中に収めた。
それに対して、ラリー組では予想通り、そしてフランス人の期待通りに、ロウブが勝ち進んだ。昨年のROCでは決勝戦で惜しくも敗れただけに、「今年はリベンジしたい」と、大会前から闘志を燃やしていたロウブ。1回戦目はX-Gamesで5度優勝しているパストラナを大差で抑え圧勝。そして、マクレー、次のグロンホルム戦では、サイド・ウォールに接触してリアを破損させながら勝利した。
■0.0876秒の僅差勝負、そして……
そして迎えたクライマックス。決勝戦はNC同様に3本勝負で先に2勝した方が栄冠を手に入れられる。
1回戦目のマシンはメガーヌ・トロフィー。ロウブは慣れないルノーに戸惑ったのか、スタートに出遅れ、1周目はクリステンセンが先にラインを通過した。
ところが、2周目の最終コーナーでほぼ互角となり、5万人の観衆も総立ちになるほど手に汗握る展開に突入した。そして、ゴールラインでは横並び一直線で場内アナウンスも勝者の名をすぐに告げられないほどだった。写真判定の結果、僅か0.0876秒の差でまずロウブが1勝した。
つづいて2回戦目、バックステージからシトロエンが登場すると、誰もが「ロウブに分がある」と読んだが、それをもっとも意識したのはクリステンセンだったようだ。
半周辺りでまさかのコースアウト。その瞬間、ロウブの優勝が決まった。その後はパレード走行のように、観客の声援に応えながらゆっくりとゴールした。
クリステンセンは「(2回戦目では)スタートから全開でアタックしなければと考えていたよ。シトロエンは1年中ロウブがドライブしたマシンだからね。確かにミスをしたけれど、不満はないよ。ネーションズカップで優勝したし、レース・オブ・チャンピオンズでは決勝まで進めたんだからね」と、悔いのない戦いに表情も晴れ晴れしていた。
■地元で絶大な人気のロウブが勝つ
2005年のROCでは、WRCでも圧倒的な強さを見せ、地元フランスで絶大な人気を誇るロウブが、その実力を存分に発揮した。
「2003年はカナリヤ諸島でROC初優勝。2004年はアレジとネーションズカップで勝った。そして今夜はフランスのスタジアムで、声援がマシンの中まで届くほどの大観衆の前で優勝できたことは格別な気分だよ」と興奮気味に話したロウブ。
NCで1回戦退敗した悔しさも抱えて臨んだのだろう。シャンパン・ファイトでは周囲のプレスたちにもシャンパンを浴びせかけるというワンパクぶり。雪辱を果たした英雄の、屈託のない笑顔が広がった。
(文と写真=野口友莉)
(WebCGより)