保育園民営化

wine2006-05-23

「性急すぎる民営化の手続きは違法」というのはある程度評価できる判決。
しかし10万円もらったところで(しかもたったの28世帯)なんだというのでしょうか。
もう一歩踏み込んで欲しい気もするが…

保育園民営化「早急すぎ違法」 原告一部勝訴 横浜地裁 2006年05月22日21時01分
 横浜市が04年4月に民営化した四つの市立保育園の園児と保護者が「子どもが通っている途中での民間移管は影響が大きい」として、民営化の取り消しなどを求めた訴訟の判決が22日、横浜地裁であった。河村吉晃裁判長は、同市の性急すぎる民営化の手続きは違法と指摘。現在も保育園に通う園児の保護者について、1世帯あたり10万円、合計280万円の支払いを命じた。


 判決は、保護者の「継続して同じ保育所で保育を受ける利益」を初めて認めた。民営化の取り消し請求自体は退けた。


 横浜市は03年4月23日に市立保育園の段階的民営化を発表し、04年4月に4園を民営化。この4園の保護者が「全職員が入れ替わり保育環境が激変する」と訴えていた。


 判決は、民営化で保育の質が悪化するとは言えないとする一方で、「全職員が入れ替わることにより相乗的な混乱が起きることは容易に想像できる」と述べ、民営化が園児に悪影響を及ぼす可能性があるとした。


 その上で、「保護者には保育所を選択する権利と、同じ保育所で継続した保育を受ける権利がある」とし、民営化時の保護者への説明や手続きの不備を指摘。


 民営化にあたり、業務引き継ぎのため、市の保育士と移管先法人の保育士が3カ月間、共同で保育を行ったことについて、判決は「3カ月の引き継ぎ期間で民営化した高石市大東市大阪府)では少なからぬ混乱があった」と指摘。先行する他都市の状況を参考に決めたとする横浜市側の主張を「根拠がない」と退けた。


 さらに、判決は「民営化そのものは違法とは言えない」としながらも「児童が不利益を被る可能性があることを思えば、早急な民営化を正当化する根拠は不十分だ」と述べ、民営化の実施時期を04年4月としたことは裁量権を逸脱し違法と結論づけた。
asahi.com 2006年2月22日)

保育園が民営化されるのは市の財政改善(というか経費削減)の一環。
川崎市でも市の決定により問答無用で民営化される保育園が増加しており、民営化された保育園の保護者会などからは民営化に伴う弊害が報告されている。
民営化その事自体には賛成も反対もしないが、弊害が多いのであれば避けるべき。
しかも民営化の対象となる保育園が発表されるのが実施時期の直前。
現状の民営化は教育の質の低下、労働の質の低下、生活の質の低下につながる。
待機児童が非常に多い現状を考えると公立保育園を増やす方が大切なのではないかと思うのだが。
共働き子育て夫婦は川崎市から出て行け、とでも言うつもりなのかね。