TV局の都合

たとえ炎天下の試合で体力が極度に消耗しようとも、対戦相手も同じ条件なのだから負けたことの言い訳にはならない。
というのは中田英寿自身が敗戦後のインタビューでも話しているとおり。
でも2試合連続でドイツ時間午後3時にキックオフしたのは日本のTV放送時間を考慮した結果だそうですね。
既にあちこちに書かれているのでご存じの方も多いでしょうけれど、私はいまやじうまWatchを見て初めて知りました。
ちなみに、日本以外にも2試合連続で午後3時にキックオフしたセルビア・モンテネグロトーゴは2連敗で一次リーグ敗退決定。

3時開始の試合、ジーコ監督批判 暑さ「選手が犠牲」 2006年06月20日09時15分


ジーコ監督はクロアチア戦後の記者会見で、豪州戦に続いて試合開始時間が午後3時(日本時間午後10時)だったことについて、「こんな時間にサッカーをやること自体、間違っている。試合時間を遅くすることを提案したい」と厳しく批判した。


1次リーグは1日3試合が行われる場合、午後3時、6時、9時のキックオフ時間が設定されており、午後3時の試合は気温が30度に迫る暑さとなっている。「体力的な準備を整えていても、動けなくなるし、ミスが出る。選手は守られていない。彼らが燃え尽きない日程を考えるべきだ」と話した。


豪州戦とクロアチア戦は、昨年12月の組み合わせ抽選後に、日本のテレビ局の要望もあり開始時間が変更された。ジーコ監督は「サッカーはビジネスになっており、選手が犠牲を払っている」と指摘した。
(asahi.com 2006年06月20日)

追記

豪州戦、真昼の試合はTV考慮 NHK・テレ朝交渉否定 2006年06月25日08時40分


 サッカーW杯ドイツ大会で16強入りを逃した日本代表。1次リーグ3試合のうち2試合が日本では夜10時開始だったため、テレビの生中継を見ながら多くの人が声援を送った。しかし、7時間遅れのドイツはまだ暑い時間帯。組み合わせ抽選の際、日本でのテレビ放送時間を考慮して夜から昼に試合時間が変更されていた。その結果、日本代表は酷暑での戦いを2度強いられた。


 初戦の豪州戦(12日)は、ほぼ真上から照りつける強い日差しが選手の体力を消耗させた。終盤に3失点した時、日本選手の足は止まっていた。


 2戦目のクロアチア戦(18日)も晴天。ピッチ上は40度前後になるともいわれる。中田英寿は試合後、「お互い条件は同じ」と暑さを言い訳にしなかったが、日程を見ると公平とは言い難い実態も浮かび上がる。


 1次リーグは各チーム3試合。2戦目までの試合開始時間は、現地で午後3時(日本時間午後10時)、同6時(同翌日午前1時)、同9時(同翌日午前4時)の設定だった。


 参加32チームのうち、午後3時からの試合を戦ったのは17チーム。うち2戦とも午後3時だったのは日本、トーゴセルビア・モンテネグロの3チームだけだ。日本は3戦目まで16強入りの望みをつないだが、他の2チームは連敗して早々に敗退が決まった。


 ジーコ監督は、クロアチア戦後の記者会見で「こんな時間にサッカーをやること自体、間違っている」と批判。「サッカーはビジネスになっており、選手が犠牲を払っている」と指摘した。


 1次リーグの組み合わせは昨年12月9日に抽選で決まり、翌10日に国際サッカー連盟(FIFA)が各試合の開始時間を発表。日本の2戦目までの日程は当初、豪州戦が12日午後9時、クロアチア戦が18日午後6時だったが、FIFAは「テレビ放送の時差を考慮した」として、ともに午後3時に変更した。


 その結果、ビデオリサーチによると豪州戦の視聴率は関東地区で49.0%、クロアチア戦は同52.7%を獲得した。23日午前4時から生放送された3戦目のブラジル戦の前半は同22.8%と早朝では異例の高さだったが、前2戦の半分にも届かなかった。


 02年日韓大会で日本組織委員会の放送業務局長を務めたスポーツプロデューサーの杉山茂さんは「FIFAは放送局の意向を重視する。放送権者は自分の国の時差を考えて試合時間を要望できる」と打ち明ける。


 スポーツビジネスに詳しいジャーナリストの谷口源太郎さんは「NHKと民放でつくるジャパンコンソーシアムが支払ったとされる140億円の放送権料はアジアで突出している。それでFIFAのビジネスも成り立っている」と話す。


 放送権販売の国内代理店の電通は「試合時間はFIFAが決定するもの。放送局側の意向を伝えたとしても聞き入れるかどうかはFIFA側の判断」と言葉を濁す。豪州戦を生放送したNHKの原田豊彦放送総局長は「開始時間の変更を働きかけてはいない」。クロアチア戦を放送したテレビ朝日の広報も「試合時間を交渉した事実はない」としている。
(asahi.com)